田舎暮らし、ときどき北欧。

夢をカタチにするまでの軌跡。

台風19号の爪痕

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まだ復興途中のおうちの中は

あれから時が止まったまま

 

 

今からもう二年も前になるのか。

2019年10月12日に日本へ上陸した台風19号

わたしのお家は山の上なので、河川の氾濫よりも土砂崩れや倒木などが心配だった。

ひとりじゃ怖いだろうと近くの家族がおうちに呼んでくれたけれど、結局はひとりで家にいることを決めた。

誰かが気にかけてくれていると思えるだけで安心しました。ありがとうございます。

鳴り止まないアラームにどきどきしながら

ひとりあまり眠れない夜を過ごし

朝起きてみると町が水浸しだった。

そのあたりに住む友達に連絡をしてみたら、おばあちゃんと逃げ遅れて二階にいたと返事があって、とりあえず無事でいることに安心した。

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このあと、なんとか水のついてない道路を探し迂回をしつつ仕事へ行ったけれど、

結局は臨時休業になって帰宅することになった。

 

それから、休みの日は全てボランティアをしていて、泥だらけのゴミたちを運んだり、洗浄したりしてまわった。

長野だけでなく、たくさんのボランティアのひとが県外から集まってくれていて、ひとの優しさを感じた。

色んな地域に入って活動しているなかで、水がつくのをわかっている地域のひとたちがいたことを知った。浸水すると予想できると、すぐさま畳を二階にあげ、車を上の方に持っていったそうだ。過去に経験があると、すぐに対応できるのだなと感心していた。いざというときどう対応すればいいのか咄嗟に判断できる。さすが。

 

わたしは自分の住む町、松代の片付けがある程度おわるとボランティア活動から退いたけれど、もっと被害の大きい地域へ足を運ぶひとたちも沢山いて、

今回撮影依頼を受けた長沼のおうちが、被害の大きかったところのひとつだった。

たまたま、わたしの撮ったお写真を駅舎仲間がSNSにアップしていたのを見た方から、ぜひとお声がかかった。

自分の切りとる世界で気に入るものがあればいいなと思い、引き受けさせてもらった。

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周りにはもっとおうちがあって

りんご畑もあったそうだ。

跡形もなくなってしまったところもあった。

 

あれから二年の歳月が流れているけれど、なかなか見えてこないだけで復興途中の地域がたくさんある。

被災したひとたちのなかでは、過去のことではなく現在進行形で向き合っていることなんだ。

 

二年経ったいま、わたしにも何か出来ることはあるのだろうか。

繋がった意味は、必ずあるはず。

 

そんなことを思いながら

シャッターをきっていた。

 

次の撮影は、ひとをメインに撮らせていただく予定なので、そのひとたちの想いもまるごと切りとれたらいいな。

 

綺麗な写真を撮ることよりも

想いが伝わる写真を撮りたい。

見る人に、何かを伝えられる写真を撮りたい。

 

そんな風に、おもう。