「牧野ちゃんのつくった雫の帯留めに合わせて、揺れるピアスがあったら素敵だなー」
そう彼女が言ったのは、いつだったか。
あれからずいぶん経った今、思い出したようにつくった。どうして私は早く作ってあげられなかったんだろう。
彼女が余命宣告をされてから作るなんて。
今更かもしれない。
それでも。
これを付けて、一緒にお着物を着て出かけてくれますか。
神様
そんな未来をください。
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4月1日追記:
渡せて喜んでもらえたけど、なんでわたし間違えたのか、彼女はイヤリングだった。記憶がぽんこつすぎる。
それ付けてデートの約束したの。
絶対叶える。
そんな簡単に、あんな素敵な人を連れていかせない。