カナダ時代
もうひとつの
恋のおはなし。
今でもテイラースウィフトの
「SuperStar」を聴くと思い出すひと。
彼は
歌とは違ってミュージシャンではなくて
ホッケー選手だった。
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わたしがあなたの名前を書いたら
自分も書きたいと
あなたは言った。
「ところでさ、わたしの名前どうやって知ったの??」
「去年俺に言ったよ。
今年、店で会った時ももう一回自己紹介してくれた」
うん、彼と去年会ったのは覚えている。
試合のあと、特別に控え室に呼んでもらった。自己紹介したっけ?みんなの前で?
覚えてない。
「でも実は呼べないんだ」
「え??Ma-yu-mi !」
彼はわたしの名前だろうと思われる言葉を何回も繰り返した。
でも少し違う。
わたしは言う。
「MA - YU - MI !」
何回も繰り返したあと、彼はわたしに謝る。
「ごめん、実は何回も言ってみたんだけど
同じように言えないんだ…」
「もし間違った音だとしてもわたしは気にしないけどね。呼んでくれるのが嬉しいから」
また繰り返す。
わたしは言う。
「like...Mom , you and me Ma Yu Mi 」
何回も繰り返して
やっとかなり近い音になる。
わたしは言う。
「それ!!近い! うん Right on!」
これが今日わたしを幸せにした理由。
大好きなみんなから
名前を呼ばれるって
当たり前だけど
とてもとても嬉しいこと。
だからわたしも
間違っているかもしれなくても
RとLの違いがあまりできてなくても
名前を呼ぶ。
大好きなひとたちの
名前。
2009/12/14 23:10
21.11.03 画像追加・加筆修正
ウィンタースポーツを日本でやったことのなかったわたしは、カナダでスノボ、スキー、スケートに挑戦したのだけど、
はじめてのスケートを教えてくれたのは
ホッケー選手の彼だった。
めちゃめちゃびびって上手く滑れなかったけど。
彼と仲良くなってから試合もよく見に行った。
背番号を覚えて、ずっと追いかけてて
喧嘩っぱやい彼にはらはらしてたっけ。
怪我しないで〜って祈りながら応援してた。
わたしが見に行く試合は最初から最後まで、負けなしだったな。
試合の遠征から帰ってきたその足で、朝方わたしのお家に来てくれたことがあって
二階に住むわたしのお家の窓に小石をあてて、来たことを知らせてくれた。
朝からチャイムを鳴らすとお隣さんにも聞こえちゃうからって。
もちろんもう起きて待ってるんだけどね。
こつんこつんって音がするの。
ドアをあけたら
両手広げる彼に飛び込むわ。
「おかえり」って。
そんな
スーパースターに恋をしたときのおはなし。