田舎暮らし、ときどき北欧。

夢をカタチにするまでの軌跡。

さかさまのハート

大好きなジンジャーブレッドラテの季節がくると、思い出すひとがいる。

 

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一年の中で、いちばんスタバに通う季節。

 


だいたいどんなお店でもお気に入りの店員さんができるのだけど、よく使うスタバにも好きな店員さんがいて、いつも癒されていた。笑顔が可愛いひとに弱い。

 


今でも好きなひとのひとり。

 


着物を普段に着始める前に出会っていたから、何かきっかけがないと覚えて貰えないんだろうけど

 


ある日、仕事でパソコンを持ち込んだ日が三日続いて、その三日ともオーダーをとってくれたのが同じ男の子だった。

わたしも彼を覚えたし

彼もわたしを覚えた。

 


それから、少しずつお話をするようになった。

 


わずかな休憩時間にも声をかけてくれるようになったり、彼が仕事おわりであがる時間には、コーヒーをもって話に来てくれるようになった。

 


スタバの外でも会うようになって

映画や紅葉を見に行ったり

田んぼのお手伝いに来てくれたり

寒くなる季節にあがる花火を見に行ったこともあった。

 


「まゆみさんが好きなのわかってて、こうやって話してますんで」と、仲良くなっても敢えて丁寧語で話す子だった。

 


「仕事で疲れたので、まゆみさんに会いたいです」と連絡がくるような子だった。

 


「一雨(ひとさめ)ごとに寒くなっていくね」と言ったら「その表現、季節の穏やかな移り変わりを感じられて好きです」と返してくれる子だった。

 


元から対等な関係は望んでいなさそうで

ただひたすらわたしに可愛がられていて

本当に、それだけだった。

 


一緒に過ごして少し経った頃

あることがきっかけで

お互いに店員と客に戻ろうと決めた。

 


それでも彼がわたしを気にかけてくれていたことは伝わっていたし

それは冒頭の写真からもわかる。

他の人にばれないように描いた

さかさまのハートマーク。

 


これを描いてくれたのが

ジンジャーブレッドラテの季節だったから

やっぱり君を思い出す。

 


県外へ異動前、最終日のお仕事のとき

「まゆみさんと、一緒に写真を撮りたいです」と言ってくれて、嬉しかったよ。

何年かぶりのツーショット。

 


それで、十分。

 


好きだよと言うと

私も好きです、と返ってくる男の子。

 


毎年この時期になると

必ず君を思い出すから。

 


たくさんの

優しい思い出を

ありがとう。

 

 

君も同じように

わたしのことを思い出してくれてたら

嬉しいな。

 

 

大好きな

ジンジャーブレッドラテの季節。