田舎暮らし、ときどき北欧。

夢をカタチにするまでの軌跡。

料理人の彼

LINEのお友達リストのアイコンを眺めていたら、見覚えのある写真をアイコンにしてるひとがいた。

 

一緒にいるときは、愛猫のアイコンだったとおもう。

彼は、わたしが失恋と大切な人の死で落ち込んでいたときにいつも励ましてくれたひとで、苦しくてその優しさに逃げたのに、嫌な顔せず大事にしてくれた相手。

 

わたしの言動に一喜一憂して、好きな気持ちは常に全力で伝えてくれる、とても、とても優しい男の子だった。

 

彼の家は料理屋で、彼は三代目だったのだけど、出会った頃は別のところで働いていてその職場に一緒にご飯を食べに行った。わたしを彼女って紹介したかったらしい。

彼が実家のお店に戻った後は、そこへ友達を連れて彼のつくる料理を食べに行ったこともあった。お昼の忙しい時間なのに、わざわざ厨房から出てきてくれて、一緒に来てた友達たちにいじられてた。

わたしの家に来たときも、ご飯をつくるのは彼だった。あまりにも包丁さばきが素晴らしすぎたので動画を撮っていたら、こんなの撮られたことないって言いながら照れてて嬉しそうにしてた。にんじんなんかは可愛いハートやお花に変わっていったのを覚えてる。

 

彼はSNSが完全に惚気アカウントと化して、嬉しかった反面、当時わたしのアカウントは3000人くらいフォロワーがいて、和装女子のブランディングをしていたため、彼が許可なく洋服の写真をあげたりしていて困ったことがあった。それを私が言うより先に、周りの友達たちから怒られていて、しゅーんってなってるのも面白かったのだけど。でも暴走して、あげたら困るやつを何度もあげてたので、わたしもさすがに怒った。

 

なんだか懐かしい。

 

彼の誕生日に浴衣をプレゼントして、浅草でデートしたあの日。そういえば、彼も使っていたカメラはキヤノンだった。そのカメラを構えている彼を撮ったときの写真。

それをどうして今、LINEのアイコンにしているのかはわからないのだけど

もし彼がいまだにわたしを忘れられないのだとしたら、わたしにも同じ罰がくだってるよ。

苦しいよね。

それとも、もう何年も前だから苦しさはないのかな。

 

あれから時が過ぎたのが一瞬な気がする。

 

友達の結婚式に一緒に出席するために仕立てたお着物は、その後も着てますか。和服で出る選択肢しかなかったわたしに合わせて誂えたやつ。お家で着付けて、一緒に出席したね。

主役のふたりは今も変わらず仲良しだよ。

おうちの猫ちゃんたちは元気かな。

君が田んぼに来てた時も懐かしい。暑い夏の草取りも、秋の収穫の日も。

わたしの誕生日を過ごしたディズニーも。

 

出会ったのは寒い冬の日だったけれど

一緒にいるようになったのは

日差しがあたたかくなったハルだった。

君が撮った桜の写真、今も気に入ってます。

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わたしの写真もね。

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仲良しのお友達グループの中のアルバムには、君から横流しされたわたしの写真が何枚もあった。

たくさん、ありがとう。

今もカメラを構えているかな。

知ってる?わたしも一眼買ったのよ。

もう一緒にカメラを持って歩くことはできないのかしら。なんて、むしがいいわね。

 

君はとても優しいから

上手くいかなくなっても最後までずっと優しかったから。

絶対に幸せになってほしいと、そう思ってる。

 

新しい好きな人が出来てたら全力で上手くいくように祈ってるの。

君の熱量に負けないくらいの相手を見つけているといいな。

 

最後にもう一言付け加えるなら

「君のつくる冷やし中華がもう一度食べたい」です。

 

また友達みたいに会える日が来るなら

ご飯食べに行くからね。

ずっと元気でいてね。

 

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こうやって、ときどき宝物をひっぱり出すみたいに想い出を綴ることがある。

ひとよりきっと多くの恋をしたけれど

どれも大切なの。

それがなかったら今のわたしはないの。

わたしとの関係がどんな風に終わったとしても、今彼らが幸せであればいいなと願ってるの。